リズム運動でセロトニン分泌を高める。

セロトニンとは、精神の安定に深く関わる神経伝達物質です。セロトニンの分泌が減るなどして、セロトニン神経系の機能が低下すると、不安や怒りの感情が増えると言われています。今回はセロトニンの分泌を高めるというリズム運動についてのお話です。

リズム運動とは、一定のリズムを刻む運動のことで、呼吸がまず一つ。その次に手軽にできるのは「咀嚼」です。つまり噛むこと。実は「咀嚼」は毎日行える身近なリズム運動なのです。ただ単純によく噛むことでセロトニン増加が期待されます。そのために、食事の時に一口20回以上は噛むようにして、5分以上かけてゆっくりと食べることが大事です。また噛むことに集中することも大事だそうで、テレビやスマートフォン観ながらではよい効果が得られません。1日に1回の食事だけでも食べる事に集中しゆっくりいただけるといいですよね。また、ガムを噛むというのもひとつの方法です。スポーツ選手がガムを噛むのも、集中しながらネガティブな感情を解消していると言われています。

呼吸や咀嚼は手軽ですが、もう少し体を動かす方が、運動不足解消にもなり気持ちもすっきりするかもしれません。ウォーキング、軽いジョギング、スクワット、サイクリングヨガ、ダンスなどもセロトニンを増やすのに効果的です。簡単な動きを繰り返しながら呼吸を規則的にすることが大切です。激しい運動や難しい動きでは効果がありません。このような運動には、効果的な運動継続時間があります。運動を始めて5分後くらいからセロトニン濃度が高まり、20~30分でピークに達します。疲れを感じなければ、それ以上継続してもよいですが、疲れた、きついと感じるようになるとセロトニンの機能が低下し、逆効果になってしまいます。疲れやストレスはセロトニンの敵です。そのことを忘れず、無理なく行いましょう。継続することが大切です。またセロトニンは太陽の光で活性化されやすいので、朝や日中に行う方がよいでしょう。

心に疲れを感じている方には、生活習慣を整えることに加え、リズム運動を取り入れるといいかもしれません。心も体もすっきりさせるためにセロトニンの分泌を促したいものです。

現代社会ではストレスの多い環境をすぐに変えるのは簡単ではありません。前回、経文を発声することがリズム運動と呼吸法に繋がり、セロトニンの分泌が増えるというお話を書かせていただきましたが、心道学園では栄養バランスの良い食事、規則正しい生活、そして日光に当たりながらの作業や運動をすることに力を入れています。
セロトニン分泌を活発にし、体も心も元気に美しくなりたいですね。